半年ほど前に書いた↓の記事

透明シリコーンでメタルフィギュアを簡易鋳造してみる

その後、耐熱シリコーンを入手しましたので、その性能の程を確認してみました。

今回使用したのはワッカーの耐熱シリコーン。里見デザインさんで購入しました。

反応前の粘度は耐熱シリコーンはかなり柔らかいです。というか、VOLKSのシリコーンが硬いのですが。

結果の早見表は以下の通りです。

ボークス透明シリコーン ワーク耐熱シリコーン
反応前の粘度 硬い(減圧脱泡推奨) 柔らかい
反応後の硬さ 柔らかい 硬い
結晶化 全体的に発生 湯口付近に発生
凹モールド 精巧 精巧
凸モールド 著しくつぶれる つぶれる

仕上がりについて

左の石畳ベースが透明シリコーン、右の板張りベースが耐熱で抜いたものです。

まず、分かりやすいのは表面の状態です。左のものは全体的に白くなっています。これはキャストの表面が細かい針状に結晶化?された状態です。結晶化の原因はよく判らないのですが、透明シリコーンではキャストしたものは表面が結晶化しやすいようです。ただし、耐熱シリコーンの方でも湯口部分には似たような状況が見られますので、型の流路の状態にも左右されるのかも知れません。

ちなみに、結晶化しているのは表面のみで、やすりで処理するとキレイになります。

次に表面から判るのは凹モールドの状態。これはあまり変わらないように思えます。見切れていますが写真左上に置いてあるリトルレディのミニチュアは透明シリコーンで抜いたものですが、こちらも目のモールドなど結構キレイに抜けています。

上の写真からそれぞれひっくり返したもの。

このベースは裏に「Toraneco Works」とクレジットが凸に入っているのですが、透明シリコーンの方は完全につぶれています。耐熱シリコーンの方もつぶれていますがましではあります。

この部分はレジンキャストするとキレイに抜けるので、ピューターだと粘度のかんけいなんかで抜きにくいのかも知れません。

結論

表面の結晶状態とか考えると、やはりピューターの注型には耐熱シリコーンを使ったほうがいいかなと思います。

形自体は出来るので、透明シリコーンでも代用はできます。

ということで。

 

 

いのま