アビガン、なぜ多くの医療機関で使われないのか

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アビガン白木教授「なぜ多くの医療機関で使われないのか、不思議です」

新型コロナウイルスによる世界的大混乱の先行きが見通せない。その理由は、治療薬がないこと。逆に言えば、薬ができれば事態は収束に向かうはずだ。

そんななか、新型コロナの治療薬として、世界中から注目を集めているのが、アビガン(一般名・ファビピラビル)である。’14年に抗インフルエンザ薬として国内で承認されたアビガンは、同年に西アフリカで大流行していたエボラ出血熱にも効果があると話題になった。新型コロナにも効くとされ、大量購入を決めたドイツをはじめ、約30ヵ国から引っ張りだこになっている。

アビガンを富士フイルム富山化学と共同開発した、富山大学医学部名誉教授で千里金蘭大学副学長の白木公康氏に話を訊いた。「中国で行われた臨床試験の結果からわかったのは、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)肺炎が発症してから6日後までにアビガンを服薬すれば、それ以上、悪化しない可能性が高いということ。ICU(集中治療室)に入るほど重症化しないので、人工呼吸器にもつながれませんし、外来通院さえ可能だと思われます。したがって、医療崩壊も免れるでしょう。中国ではアビガン投与がCOVID-19肺炎の診療ガイドラインに掲載される見通しです。

日本でも安倍(晋三)首相がアビガンを治療薬の候補として何度も紹介しています。アビガンはインフルエンザなどのRNAウイルスの遺伝子に作用して、RNA合成を阻害する薬です。エボラや新型コロナもインフルエンザと同種のRNAウイルスのため、アビガンにウイルスの増殖を止める作用があると考えられます。また、アビガンを使用してもウイルスが耐性を持たないので、いつまでも同じ有効性を維持できることも特長です」しかし、アビガンは有効性が確定していないだとか、生まれる胎児に影響を与えるなど危険な薬だとの批判も絶えない。

白木氏はこう反論する。

「アビガンが承認される際に、米国のFDA(食品医薬品局)と日本のPMDA(医薬品医療機器総合機構)が徹底的に調べて、重篤な副作用がないと結論づけています。ただ、動物実験の際に一部で催奇形性が確認されたので、妊婦や妊娠の可能性がある人は飲まないよう明記されています。エボラやCOVID-19の患者を含め、これまでに1000人以上がアビガンを服用していますが、副作用は尿酸値が上がる程度で、重篤なものは報告されていません。

そもそも、COVID-19は高齢者の重症化が問題視されているのですから、妊娠によるリスクを考慮しなくてもいい高齢者の服用が推奨されてもいいはずです。それなのに、なぜ多くの医療機関で使われないのか、不思議です」

ではどうすれば、新型コロナウイルスの治療薬としては未承認のアビガンを実際に服用することができるのか。実は医師にきちんと伝えれば、比較的簡単に服用できるはずだと白木氏は言う。

「現在、アビガンはCOVID-19の治療薬として臨床試験中で、承認されるのは最短で7月でしょう。ただ、政府はアビガンを観察研究の形で使用できるようにしていて、病院が院内の倫理委員会で所定の手続きを取っていれば、患者が要望した翌日には飲めると思います。

COVID-19は現在、生死がかかった病気と思われていますが、早期発見してアビガンを飲めば、肺炎がそれ以上進行しない病気だという安心感をみなさんに持ってほしいですね」

政府は200万人分のアビガン備蓄に向けて動き出した。世界50ヵ国に対しても無償供与する方針だという。

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